2025年6月27日金曜日

Fitガイド: 激安Caracal

 

https://zkillboard.com/kill/127348255/

ソロPvPで一番重要なスタッツとは何でしょうか。もし速度だけが重要なのであればDramielやCynabalはトップメタだったでしょう。DPS?うーん…DNでソロPvPしたい人は好きにしてください。諸説あるとは思いますが、PvPを楽しむのに最も重要なのは『実際の強さと見た目の強さの比』です。実際の強さはpyfaで適当にシミュレートすれば分かります。見た目の強さはソロでローミングしたときの現地民の反応でなんとなく分かります。見た目が強そうな奴に対して地元民は強いカウンターを出してきます。見た目が弱そうなものに対しても容赦ない迎撃が出てくることもありますが、結構な頻度でなんか適当なものが出てきます。要は見た目が弱くて意外と強い船を持っていくと楽しくファイトできる確率が上がります。

実際の強さと見た目の強さ

見た目の強さというのは非常にふんわりとした概念で、データによる裏付けはできないのですが、個人の経験的には以下のように分類できます。

  • 実際の強さ=見た目の強さ

広く使われていてfitのバリエーションが乏しい船が該当します。具体的にはExequror Navy Issue, Orthrus, Lokiなどです

  • 実際の強さ<見た目の強さ

Fitがおかしいやつは全部これです。Osprey Navy IssueやVedmakのように昔は強かったけどナーフされてしまったもの、Tholosのように登場してから日が浅い船もこのカテゴリに入りがちです。

  • 実際の強さ>見た目の強さ

初心者が使いがちなT1艦や不人気な海軍艦、Svipulのように過去にナーフされまくっていて産廃と認識されている船が該当しがちです。実際そんなに強くないのでFItや戦い方を工夫する必要があります。

 (実際の強さ>見た目の強さ)な船の組み方

1つの目的を達成するために幾つかの方向性があります。

  • 高価なFitを組む

ISKをつぎ込んで赤や緑色のMODだらけにして強いインプラントを刺したら強くなります。ヌルセクだと沈んだときにPODも失うのでISKの消費が激しいですが、ローセクならそれなりにアリな選択です。極端な例:https://zkillboard.com/kill/126871389/

  • ニッチな船に乗る

誰も使ってないような船は所謂「わからん殺し」が出来ます。欠点として、使い続けていると被害者が増えzkillに痕跡が残るので通用しにくくなります。例:https://www.youtube.com/playlist?list=PL_vDIQJV4ZAcviVgZ2vle_LpySoTCrIrw

  • 特定の対象を狙う

尖ったfitにして、特定の対象だけを効率よく狩るようにすると本来弱い船でもキルメールを量産できます。問題はどうやって都合の良い相手を見つけるかで、そこは工夫と準備が必要になります。この記事で紹介するのはこの方向性のfitです。

特定の相手を狙ったfitを考えるときに一番重要なのは、何を狙うかです。選択的に狙えるなら何でも良いですが、時間効率を考えると頻出する相手を狙った方が得策でしょう。ヌルセクのどのリージョン、どのタイムゾーンでも必ず迎撃で出てくる艦は何でしょうか?そう、Vargur IntyとDictorです。

激安Caracal

前置きが長くなりましたが、fitはこれです

[Caracal, cheap]

Type-D Restrained Nanofiber Structure
Ballistic Control System I
Ballistic Control System I
Ballistic Control System I

50MN Cold-Gas Enduring Microwarpdrive
Large Azeotropic Restrained Shield Extender
Large Azeotropic Restrained Shield Extender
X5 Enduring Stasis Webifier
Faint Epsilon Scoped Warp Scrambler

Experimental SV-2000 Rapid Light Missile Launcher
Experimental SV-2000 Rapid Light Missile Launcher
Experimental SV-2000 Rapid Light Missile Launcher
Experimental SV-2000 Rapid Light Missile Launcher
Experimental SV-2000 Rapid Light Missile Launcher

Medium EM Shield Reinforcer I
Medium Warhead Flare Catalyst I
Medium Warhead Rigor Catalyst I


Caldari Navy Inferno Light Missile x100
Caldari Navy Mjolnir Light Missile x100
Caldari Navy Nova Light Missile x100
Caldari Navy Scourge Light Missile x100
Nanite Repair Paste x10
Signal-5 'Needlejack' Filament x3

今のJita価格だと合計22Mくらいで、保険を掛けると実質14Mくらいになります。つまりIntyと1-1交換すればISK勝ちできます。ランチャーやバリコンをT2化すると火力は上がりますが、実際問題として狩れる対象は増えません。勝率を多少犠牲にして、上手くいったときの相手への精神的ダメージを最大化することを狙っています。リグはダメージアプリケーションに振りすぎなので、Medium Warhead Flare Catalyst IをMedium Hydraulic Bay Thrusters IかMedium Warhead Calefaction Catalyst Iに変えてもいいでしょう。失敗して真っ赤になったT2のAbyssal MODを付けるのも手です。

立ち回り

このCaracalで狩れる獲物はそれほど多くはありません。IntyとDictor(Flycatcher以外)が主なターゲットで、弾薬消費を厭わなければ採掘艦とかも狙えます。採掘艦を撃つためにT1のMjolnirを1000発ほど持って行くのもアリでしょう。フィラメントで飛んだら最初にzkillでリージョンの直近のキルを調べてDictorやIntyが載ったキルメールがないかをチェックし、スタンディングフリートが来そうな場所やゲートキャンプがありそうな場所を探しましょう。現地民の反応があればIntyを出してくるまで適当にうろついて、IntyやDictorが出たらいい感じに他の艦から引き剥がしてscramとwebしてさっさと溶かすだけ。簡単。大抵の場合は幾重にもタックルされて袋叩きに合いますが、運が良いと複数キルも狙えます。本来RLMLは30kmくらいから撃って良いのですが、相手にscramを入れる前に撃つと大体そのまま逃げていくので注意。ランチャーを1:4にグループ化してDPSを偽装するという手もあるけれど、ダメージ量に関係なく逃げるやつは逃げるので、キルが欲しければ捕まえる直前まで撃たない方が無難です。

ゲートでDictorのバブルはWeapon Timerを発生させないことを利用して相手のDPS艦に攻撃させてからJumpして反対側でDictorと1vs1したり、ESSの外300kmに座ってAFKしてるふりをしてIntyが走ってきたらMWDをヒートして正面から捕まえたり、とにかくひたすら逃げ回ってタックラーと他の艦を分離させたり、ソロPVPのセンスが問われますが、根本的には捕まえて殴るだけなので簡単です。

2025年6月23日月曜日

北部FW地域が思わぬ形で正常化しつつある

 5人用サイトや海賊義勇軍の追加によって滅茶苦茶になっていたFW(国家間戦争)が正気を取り戻しつつある。Vlillirier周辺にソロ/少人数PVPできる環境が戻ってきた。

Vlillirier周辺の24hキル数

Vlillirierとは

VlillirierNewEden屈指の難読地名北部FW地域の重要システムである。ローセクであるにも関わらずNPCステーションが11個もありステーションキャンプが困難で様々な勢力が同居している。昔のFWではカルダリのシステムではガレンテ義勇軍は入港不可、ガレンテのシステムではカルダリは入港不可となっていたが、数年前にFWに大幅なアップデートが来た際、対立勢力のシステムと隣接しているFrontlineシステムでは双方の義勇軍がステーションに入港できるようになった。Vlillirierは4つのシステムと隣接しているためよっぽどどちらかの勢力が負けていない限りFrontlineであり、双方の義勇軍が拠点として利用することができる。そしてVlillirierがFrontlineということは隣接システムもFrontlineかCommand Operationsのシステムであり、必然的に義勇軍プレイヤーが周辺に滞留することになる。1 

とはいえ、今春までVlillirierは閑散としていた。理由は単純にガレンテが負けすぎて前線がAubenallとかAlparenaまで押し込まれていたため。それがここ最近両陣営の戦力が拮抗して戦線がFW地帯の中央付近まで押し戻され、再びVlillirierに活気が戻ってきた。

戦力バランスの変化

そもそもなぜガレンテが負けていたかというと、最大の原因は人数差である。元々の傾向としてJitaへのアクセスやFWに個人で参加する際のNPCスタンディングの関係でカルダリの方が人数が多かった。それに加えてSeditionが南部FWへ転出すると勝負にならないほど戦力差が広がりガレンテは戦域の端っこまで追いつめられた。これではまともなPVPにはならないため北部FWはコンテンツとして完全に死んでいた。

海賊義勇軍はそれなりにコンテンツを生み出し続けていたものの、メインキャラでガリスタスに参加するのがNPCスタンディングの関係で困難すぎるため、ひたすら金策用altキャラの群れが回遊するだけの不毛な環境となっていた。南部も酷い有様でCCPもこれはあまり良くないと考えたのか、義勇軍サイトのスポーンを弄ったり謎の修正がチマチマと繰り返されたが、遂に2025/3/12のアプデで抜本的なバランス調整が入った。

マルチボックスで悪用されていた5人用サイトが廃止され、ScoutとSmallは1人か2人用、Mediumは1人か3人、Largeは1人か4人用となった。海賊FWのサイトも同様で、これによって醜悪な複垢フリートはほぼ一掃され普通の義勇軍プレイヤーが戦況の主導権を握ることになった。LPの価値はPhoenix Navy Issueが人気なおかげでカルダリの方がずっと高く、5アカウントでLP稼ぎをしている奴はカルダリに偏っていたためガレンテが押し負ける大きな要因の1つとなっていた。それが解消されたおかげでガレンテは徐々に前線を押し戻していった。
それに加えてカルダリの有力なコーポが南部FWに転出したり、ヌルセクでGoonがPH領に向けて大規模な攻勢を開始すると個人でFWに参加していたヌルセクのプレイヤーがごっそりと居なくなり(こいつらはカルダリに偏っていた)、人が居なくなることでカルダリとガレンテのバランスがちょうど良い感じになり、前線はFW地帯の中央に移動しシステムの取り合いに意味が生まれるようになった。

現在の北部FW地域のメタ

人が居なくなったため全体的にフリートの規模も小さくなり、ソロでもだいぶ動きやすくなった。最近の北部FW地域でよく使われている艦は大体こんな感じ

1. 安くて効率良くNPCを処理できる義勇軍サイト攻略艦

AlgosやCorax、Coercerなどの射程とDPSがあり、足が遅く、タンクが弱く、スキル要件の低い艦。戦う気が無い金策専用altキャラから地元のPvPerのaltでちょっかいを出すとメインが出てくるとか、Medium-ADVにCurseやRookと一緒に居たりとか色々あり、油断できない

2. 高DPS、そこそこのタンクのブローラー

Catalyst NavyやCometなどの火力とタンクがある艦。1のやつを効率良く狩れるだけでなく、手間は掛かるが義勇軍サイト攻略にも使うことができる

3. EWを積んだフリゲート

海軍EWフリゲートやHookbill。1のグループ相手にはかなり不利な代わりに、2の連中には勝つことができる。得意不得意が激しいためこいつを先入れして義勇軍サイトを攻略/防衛するのは難しい

4. T1フリゲート

MOD一切なしで義勇軍サイトを防衛したり、低スキルキャラでScoutやSmallのサイトを攻略したり。単に初心者だったり。色々。基本的にまともに戦う気はなく、すぐに逃げてしまうがAtronとかで凸るとそれなりに戦えるかもしれない。

5. 海軍CL

Exequror NI(最近減った)、Caracal NI(基本的にHAM)、Osprey NI(大体Neut積んでる)、Scythe FI(基本的にRLML)、Vexor NI(BattleFieldのポイント確保用)など。大抵の場合ソロではなく3~5人程度のフリートで行動しているので迂闊に触らない方が良い

その他、SlicerOTPとかトリグ艦にしか乗らない奴とかIshkarが大好きな奴とか変なのが色々いるけれど、基本は上の5種類。海賊艦やT2艦はほとんど見かけない。

おすすめの艦とFit

今のVlillirier周辺はコンテンツが豊富だが、T2や海賊艦を持ち込んでもまともなファイトは期待できないだろう。無難で戦える相手が多いfitを幾つか紹介する

1. Catalyst Navy Issue

[Catalyst Navy Issue, LS]

Damage Control II
Small Ancillary Armor Repairer
Vortex Compact Magnetic Field Stabilizer

5MN Y-T8 Compact Microwarpdrive
Fleeting Compact Stasis Webifier
Warp Scrambler II

Small Ghoul Compact Energy Nosferatu
Light Neutron Blaster II, Void S
Light Neutron Blaster II, Void S
Light Neutron Blaster II, Void S
Light Neutron Blaster II, Void S
Light Neutron Blaster II, Void S
Light Neutron Blaster II, Void S

Small Transverse Bulkhead II
Small Transverse Bulkhead II
Small Transverse Bulkhead II


Null S x1000
Void S x1000
Caldari Navy Antimatter Charge S x1000
Nanite Repair Paste x50

Navy Catalystの定番Fit。CPUインプラを刺してマグスタをT2にしてもいいが、負けた時にPODを回送するのが手間。基本的に近づいて殴るだけだが、Transversalやヒートの管理など考えることは案外多い

2. Firetail

[Republic Fleet Firetail, LS]

Damage Control II
Small Ancillary Armor Repairer, Nanite Repair Paste
Gyrostabilizer II

1MN Afterburner II
Fleeting Compact Stasis Webifier
Fleeting Compact Stasis Webifier
J5 Enduring Warp Disruptor

280mm Howitzer Artillery II
280mm Howitzer Artillery II
[Empty High slot]

Small Projectile Metastasis Adjuster I
Small Projectile Collision Accelerator I
Small Auxiliary Nano Pump I


Nanite Repair Paste x50
Republic Fleet EMP S x500
Republic Fleet Fusion S x500
Republic Fleet Phased Plasma S x500
Republic Fleet Titanium Sabot S x500

大抵のフリゲートに対して有利か互角なFit。腕に自信があるならpointをDread Guristasのscramに変えても良い。Midをweb-TD-scramに変えるとNavy Catalyst相手にも勝機があるがEHPが無いので初動でグダると即死する。

3. Thrasher

[Thrasher, LS]

Damage Control II
Gyrostabilizer II

5MN Cold-Gas Enduring Microwarpdrive
X5 Enduring Stasis Webifier
Faint Epsilon Scoped Warp Scrambler

200mm AutoCannon II, Hail S
200mm AutoCannon II, Hail S
200mm AutoCannon II, Hail S
200mm AutoCannon II, Hail S
200mm AutoCannon II, Hail S
200mm AutoCannon II, Hail S
200mm AutoCannon II, Hail S
Small Infectious Scoped Energy Neutralizer

Small Transverse Bulkhead I
Small Transverse Bulkhead I
Small Transverse Bulkhead I


Barrage S x500
Hail S x2000
Republic Fleet EMP S x500
Republic Fleet Fusion S x500
Republic Fleet Phased Plasma S x500

一見弱そうだが、逆に弱い相手と戦える可能性が高い。交通量の多いシステムの義勇軍サイトの中でDscranを回しながら待って、Navy Catalystみたいな絶対無理なのが来たら逃げて勝てそうな奴だけ相手してると案外勝率が良い。T1なのでミネラルをKryosで運んで現地で製造してもいい


1: FW地帯はFrontlineシステム、それに隣接するCommand Operationsのシステム、それ以外のRearguardのシステムに分かれていて、Rearguardのシステムでは義勇軍サイトを攻略してもまともにLPが支払われないためやる価値がない。

2025年5月29日木曜日

EVEにやってきた謎の新コンテンツ:Freelance Job

 今年夏のExpansion: Legionの目玉コンテンツFreelance Job。誰もが登場を予想しなかった謎機能は、誰もが発表と同時に予想したやり方で使われるようになった。つまり詐欺である。


これは現在のハイセクで広告されているなかで恐らく最も参加者が多いFreelance Job。内容はハイセクの特定のシステムでNPCを狩ると1killにつき20k ISK差し上げますというもの。どう考えても微々たるものでわざわざやる価値があるとは思えないのだが、HekとDodixieという地方都市で出しているので入れ喰いになっている。Jitaだったらこの条件では見向きもされないだろう。

同時にセットで出されているのが採掘のFreelance Job。こちらは何掘ってもいいけど1ユニットにつき10ISK差し上げます。掘った鉱石は自分のものにして良し。という内容。10ISKってショボいように見えて、Veldsparが1Unitで10ISKなのでVeldspar採掘の時給が倍ということになる。ヤバい。でもこの美味しい話には理由がある。

作業場所として指定されているClortelerは飛び地ハイセクなのだ。しかも経路が1通りでローセクのシステムが2つ連続していてゲートキャンプするのに都合がいい。こんなの引っ掛かる奴居るのかとも思ったが、実際zkillを見るとものすごい勢いでカモが収穫されている。採掘艦はともかくラッティング艦がわざわざ行って死んでるのはナンセンスだが、実際そうなっているから仕方ない。

しかしこれは序の口である。カプセラの愚かさを甘く見てはいけない。飛び地ハイセクだから騙されたとかいうレベルですらなく、正々堂々と超絶危険なローセクシステムを作業場所として指定しても来る奴は来る。

Ahbazonでラッティングしろという無茶な依頼に応じた勇者が145人も居た


AhbazonでKerniteを採掘しろという依頼に応じたのは42人だけだが、なんと20万Unit以上ものKerniteが採掘された。Retrieverで8杯分くらい。どうやったんだよ

ちなみに私がメンテ明け直後に適当に作ったTama採掘ミッションは延べ162人が請け負ったが未だに1UnitのOmberも採掘されていない。私の知る限りではTamaにOmberは湧かないハズだけども、もしかしたら何かニッチな探検サイトやミッション地に転がってたりするかもしれない。


一応、詐欺ではないまともな使われ方も一部ではされている。主にFW勢が特に攻勢を掛けたい重点システムの攻略に補助金を出している。FW参加者としては請けない理由も特にないので参加者が多く、Jitaで広告されているJobの中で最も参加者が多いのはカルダリ義勇軍のJobだった。各国義勇軍に同様のJobがあり、各々の拠点システムで広告しているようだ。

何故か対象者にキャラ作成からの日数で条件を掛けることができるため、初心者支援的な内容のJobも登場している。上のはVeldsparに10ISKと先ほどの詐欺広告と同等の好条件だが、場所指定がハイセクほぼ全域なので初心者なら誰しも恩恵を受けることができる。初心者の囲い込みが目的なのかもしれないが、良心的なJobも少なからずある。

これなんかは、90日以下の初心者を対象に50MISKまでシップロスに対して補償を出している。予算規模が少ないのですぐに枯渇しそうだが。昔の日本語チャンネルでは初心者がロスメールを貼ったら誰かが無言でISKを投げてたが、それをシステマチックにしたような感じである。今でも日本語チャットに初心者がロスメール貼ったらISKが飛んできそうな気がする。

以上は主にハイセクで流れているものを取り上げたが、ヌルセクでは少々状況が異なり、敵対勢力のキルに対して補助金を出すとか、危険なシステムでのADM上げのためのラッティングに補助金を出すとか、それなりに合理的な使われ方をしているようだ。ただ、基本的に身内に対して使わせるので誰もが請けられるFreelance Jobの仕組みとは微妙に噛み合わないようで、そのうちACL(Access Lists)を使って募集範囲を制限できる仕様とかが来そうな気もする。

ヌルセクでは敵対勢力の首に懸賞金を掛けるのが流行っているので、真似をしてCCPに懸賞金を掛けてみた。


作ってから1日でActive Participants 125人の結構な大規模Jobに成長した。参加者数を増やすのにはコツがあって、コープのオフィスから5J以内のシステムから宣伝が見える仕組みなので、商都とステージングシステムの近くにオフィスを借りて広告するだけ。発信元となるオフィスは20個まで指定できる。

PHだけステージングの近くにNPCのステーションがないのでこれは別にどうにかしなければならないが、適当なキャラをPHにぶち込んで定期的にチャットにリンクを貼ればそれで十分な気がする。

2025年5月8日木曜日

配信者を寄せ付けないEVEというゲーム

EVE Onlineは22年の歴史を持つMMORPGであり、一応は基本プレイ無料であり、日本語化もされている。しかしながら日本人で日常的にゲームプレイを実況配信しているような人間はほぼ存在せず、他から来た配信者も短期間プレイしては去っていくのを繰り返している。本稿では、この不毛の地が如何にして配信者を拒み続けてきたのか、その歴史と構造的な原因について論ずる。EVE Onlineに関心を抱いた配信者の一助となれば幸いである。

1.ネクソン『2ヵ月間EVE生活』

https://www.4gamer.net/games/004/G000412/20130611071/

EVEは22年の歴史を持つが、日本人コミュニティーの歴史はそれに比べるとやや短い。2012年にネクソンがCCP(EVEの運営会社)と契約し、日本国内で課金や基本的なサポートの提供を開始するまでは、ほとんど日本人プレイヤーは存在しなかった。キャラクター作成が2011年以前の日本人は古参中の古参である。ネクソンは日本国内でのサービスを提供するにあたって必要最低限度の宣伝広告を行った。その一つが『2ヵ月間EVE生活』企画である。女性配信者を雇い1か月間EVEをプレイさせてニコ動で配信させた。その結果は…なんというか過酷だった。

そもそもEVEは過剰に難解なゲームである。宇宙船に装備するモジュールだけでも数千種類のアイテムがあり、宇宙船の種類もLOLのチャンプを超える種類があり、古参プレイヤーでも全容を把握していない、どこまでが仕様でどこからがバグなのか分からない複雑でアドホックなゲームメカニズムがそれらを糾合している。ゲーム内での案内や説明は不十分であるため、外部サイトを読むかコミュニティーに属して分からないことを質問することで何か月も掛けて適応していくようなゲームである。初めて1か月の右も左も分からない初心者に生配信させるのは相当な無茶で、いわゆる初見プレイ配信にしかならないのは当然のことであった。

身を守る術を知らない初心者がカメラの前でプレイし、しかも若い女性である。つまりグリーフィングの対象になるのは明らかであり、そしてEVEには基本的にグリーフィングを規制するルールは存在しない。システム的にはゲーム内のどこでもプレイヤーが他のプレイヤーの船を攻撃することは可能である。生配信中であるから彼女の船がどこにいるのかは明らかで、初心者が乗れる船はそんなに硬くはならない。彼女は配信中に何度も繰り返し攻撃を受けて船を失い、初心者レベルの低難易度コンテンツさえプレイするのは困難であった。結果的にこの企画はEVEを治安の悪いMMOとして知らしめることになった。売り上げに貢献したかは謎だが、これ以降ネクソンが宣伝広告のために何かをするということはなく、2017年には契約を切ってネクソンは手を引いて日本語サポートもなくなってしまった。新規流入が途絶えた日本人コミュニティーは急激に縮小し、動画を作るような人もいなくなった。このようにして日本におけるゲーム配信ブームに完全に乗り遅れることになった。日本人がプレイしてないので配信しても仕方ない、配信者がプレイしないので新規が流入しないという構図である。

2.配信に向かないゲームシステム

2.1 全世界単一サーバー(中国大陸を除く)

とはいえ、海外でもEVEを実況配信している人は稀だ。EVEには00年代に登場した他のMMORPGとは決定的に違う点があり、それがEVEを唯一無二の存在にしている。EVEのサーバーはロンドンに1つだけあり、しかもシングルインスタンスである。ゲーム内のいかなる場所もユニークであり、仮に1000人のプレイヤーがあるゲーム内のある地点に向かうとそこには1000隻の船が浮かぶことになる。同時期に誕生したFF14等では複数のサーバーがあり、チャンネルがあり、同じ場所でも同じ場所ではないのが当たり前であるけれどEVEはそうではない。ゲーム内の経済システムが似てると言われているEscape from Tarkovもサーバーごとにマッチングが分かれている上に同じマップに沸いて戦うことになるのはマッチした十数人とだけだが、EVEでは理論上はサーバー全てのプレイヤーと同時に交戦可能である。この特徴ゆえに、配信者がゴースティングから逃れるのは極めて困難になっている。接続先のサーバーを隠すとか、InQのタイミングを隠す、などの対人ゲーム配信で行われているテクニックは通用しない。現在位置を秘匿するのも結構困難であり、画面上にモザイクを掛けたりしても完全に場所をごまかすのは無理であるし、そもそもゲーム内にロケーターエージェントという他のプレイヤーの位置を探るシステムが実装されている。

2.2 緩急が激しすぎるゲームデザイン

ゴースティングされなくとも問題はある。配信者が配信を行うのは視聴者が居るからであり、視聴者が訪れるのは見ていて配信が面白いからである。ここでEVEのプレイ体験はPvEでもPvPでも緩急の差が激しいのが問題となる。PvEだと2時間探検して大きな収穫が一回あれば上出来だし、PvPだと3時間這いずり回った挙句まともなファイトが1回10分間だけ、みたいなのがザラであり、退屈な部分が配信としてはあまりにも虚無すぎるためコメ欄とひたすら雑談し続ける羽目になる。これはこれでいい点があって、面白い部分だけ切り取って動画化するとEVEプレイヤーを対象に再生数を稼ぐことができる。ただ生で実況配信するのには絶望的に向かない。ゆっくり実況者ならまあアリかもしれないが、茶番劇の原稿を書くくらいなら完全に英語で動画を作った方がYTで再生数を稼げるという現実がある。

2.3 新参者に厳しいスキルシステム

では配信ではなく動画中心ならどうかというと、生きる化石のスキルシステムが立ちはだかる。EVEのスキルシステムはなかなか独特である。学習したいスキルのスキル本を購入し、学習対象に設定すると少しずつ習得が進む。ここでの学習の進捗は多少加速する手段があるとはいえ、基本的にリアル時間で何日も待たねばならない。10年前にスキル学習を加速するアイテム(スキルインジェクター)が導入されそれを買うと数万円で1年目の初心者レベルまで追いつくことができるようになった。ある程度の範囲の対人コンテンツに手を出すには数十万円分のスキルポイントを購入する必要があり、基本プレイ無料とはいえ課金が重めのスマホガチャゲー並みの初期投資が必要となる。案件でもなければこれほどの支出はなかなか勇気がいるだろう。特にTwitchに大勢いる実質ニートみたいな配信者には無茶である。エキスパートシステムという一時的にスキルを学習済みの状態にする課金アイテムがあるのでそれを使うという手も無くはないが…これでアクセス可能な範囲は初心者向けコンテンツに限られる。

3.それでも配信するつわもの達

EVEは配信者を寄せ付けない不毛の大地だが、配信や動画投稿をするEVEプレイヤーはそこそこ存在する。いくつか例を紹介しよう

3.1 戦場カメラマン

EVEは数千人が一カ所に集まるような大規模戦闘で有名なゲームであるが、そのような大規模な戦いは数日前からいつどこで発生するかが誰の目にも明らかな場合が多い。そのような戦闘が起こりそうなところにこっそり忍び込み、現場で透明化してその様子を生配信する配信者というのが一定数存在する。企画も編集もなく現地で放置しているだけで稼げる最強の配信である。

平時でもUedamaScoutのようにゲートキャンプの名所に張り込んで情報を提供している人もいる https://www.twitch.tv/uedamascout

3.2 モンタージュ投稿者

一昔前のFPSのように上手くいったキルクリップだけ寄せ集めてYoutubeに投稿している人たち。現在のEVEのコンテンツクリエイターの主流である。最初に何をやるかの説明が1分くらいあって、その後10分くらい音楽と一緒に1.5倍速くらいのプレイ動画をくっ付けた簡素な構成が主流。編集の巧拙よりも、どれだけ変なことをやっているかが再生数に影響する。例:Flower Fallen https://www.youtube.com/channel/UC52027svCwNuYe7rfiFuG1w

3.3 ワームホール探検家

EVE配信者の(ゲーム内の)現在位置を特定するのは割と簡単だが、そこに到達できるかどうかは別問題である。EVEの世界は恒星の周りを惑星が周回する星系をスターゲートで接続したネットワークで構成されている。通常の星系の他にスターゲートでは到達できない特殊な星系がいくつかあり、これらはランダムに発生するワームホールを伝って出入りする。これらの星系に入った状態から配信を開始すれば他の人間がそれを追いかけるのはほぼ不可能である。欠点としてはコンテンツの幅が著しく制限されるという問題がある

3.4 フィラメントロームPVP

EVE銀河は治安のましな方から順にハイセク>ローセク>ヌルセクと三段階に分かれていて場所によって使用不能な宇宙船やモジュールがあったり、適用されるルールが異なる。一番何でもありなのがヌルセクであり、EVE銀河の大半を占めている。プレイヤーの数ではそれほどヌルセクのプレイヤーは多くなく、大半のエリアがほとんど無人地帯となっていて他所者が侵入してもある程度自由に行動できる。このヌルセクのランダムな場所に移動することができるニードルジャックフィラメントというアイテムが存在し、商都ジタからこのアイテムで直接ヌルセクに入ってPVPして遊ぶというプレイスタイルが存在する。ゴースティングされたところで追いかけるのは困難なので生配信している人が一定数存在するものの、そもそもこのコンテンツ自体がかなりの上級者向けであり、EVEを始めたばかりの職業的配信者がやるにはあまり向いてない。(ゲームシステム的には誰でも可能だが)

3.5 出港しない配信者

そもそも出港しなければ船を落とされる心配はなく安全である。何をするのかは別問題。

4.専業配信者が成功する可能性はあるか

現在のEVEは大手のVなどが居ないブルーオーシャンではある。あまりにも栄養が無さ過ぎて青く透き通ってるだけだが。では個人の配信者が生き残る術はあるだろうか。恐らく無理ではないものの、そもそもEVEのプレイヤー数が少なすぎて普通にやっても金にならないというのが私の予想である。しかし現在のYoutubeにはそのゲームをプレイしない人に向けたゲーム動画というのはザラであり(のばまんゲームスとか)。もしかすると可能かもしれない。上手くいくとすれば次のようなものになるだろう

4.1 質問できるベテランプレイヤーを確保したうえで初心者向けガイド動画を作る

EVEの日本人コミュニティーは日本語サービス中止からの再日本語化という経緯もあり、ネクソン時代の古参と少数の新規プレイヤーという歪な人口ピラミッドを形成している。日本語サービスが無かった時代に始めた人は海外のコミュニティーに溶け込んでることが多い。初心者のための体系的なコンテンツは定期的に環境が変化することもあって常に未整備であり、作ろうとすれば協力してくれる人はいるだろう。(私はやらないが)また、初心者ガイド的なものを作るならCCPのコンテンツクリエイター支援プログラムを利用できるかもしれないhttps://www.eveonline.com/ja/partners 。何事もコミュニティに受け入れてもらわないことには始まらない。足掛かりとしては無難だ。

4.2 配信よりも動画作成

普通に配信しても退屈な時間が多いというのもあるが、EVEが最も活発な時間帯はEUと北米の夜=日本の深夜~午前中である。専業なら人とコンテンツが多い時間帯にプレイした方が動画素材集めの効率が良いだろう。何か変な企画を考えてコンテンツが多い時間に成功するまでやって素材を作ればいい。協力者集めには困るかもしれないが。

4.3 キルだけではなくデスもコンテンツにする

タルコフ配信者がやっているようなやつを想像してほしい。EVEは初心者にもベテランにも過酷な環境なので、大きな収穫や対人キルを主なコンテンツにするのはかなり難しい。リスキーな探検やPVPをやって時々成功して多くの場合理不尽にデスするだけでも上手く編集すればコンテンツになるポテンシャルはある。また動画だとデスの方がコメント稼ぎの効率が良い気がする。

5.最後に

もしあなたのところにEVE:Frontierの案件が来たとしたら受ける前によく考えた方がいい。この遅れてやってきた暗号資産ゲームは死産がほぼ確定していて、時間や資金を投じたところで回収できる見込みは薄い。