2013年9月1日日曜日

フリゲートPvP:タレットのダメージ


フリゲートの1vs1でのPvPのルールは簡単。
「自分が沈む前に相手が沈めば勝ち」

「そこまで単純じゃねえ!」という怒りの声が上がるかもしれないけど、基本的に
「自分が沈む前に相手が沈めば勝ち」

小規模フリートのPvPでも大して変わらない
「自分たちが全滅する前に相手が全滅(もしくは逃走)すれば勝ち」
あるいは
「相手に自分より大きな損害を与えた上で離脱すれば勝ち」
みたいな


「自分が沈む前に相手を沈める」
1vs1の状況下でこれを実現するためには3つのアプローチが考えられる

・タンクをしっかり固めて相手の攻撃を耐えつつ、自分と相手とのタンクの差で押し切る。
・相手よりずっと大きな火力で、一気に相手を吹き飛ばす。
・相手の攻撃を回避して、じわじわと相手のEHPを削る。

 どの戦略を取るにしても、それには自分と相手の武器のダメージがどのように計算されているかを熟知する必要がある。自分が相手に与えるダメージを最大化する方法と、相手が自分に与えるダメージを最小化する方法を理解するために。以下ではタレットについて解説。ミサイルについてはそのうち書く

タレットのダメージ計算


DPS211。この火力が本当に出ると思ってはいけない。


タレットの(対象のレジストによる軽減が適用される前の)ダメージは以下のように決定される。

以下
Turret damage - EVElopedia
https://wiki.eveonline.com/en/wiki/Turret_damage
より抜粋

訳注:紛らわしいけど大きな括弧は0.5の指数です。

Note: max(a,b) is a function that returns the greater of two values.
注: max(a,b)は引数のうち大きい方の値を返す関数

Note that ChanceToHit is a number between 0 and 1, and is primarly determined by Transversal Speed and Range To Target.
注: 命中確率(ChanceToHit)は0~1の実数で、主に横断速度(Transversal Speed)と相手との距離によって決定される。

EVE tests ChanceToHit for each individual shot made by a gun turret against X, where X is a random number also between 0 and 1, e.g. 0.765321, generated by the EVE server for each shot.
EVEのサーバーは一回のそれぞれの射撃ごとに、ランダムに0~1の乱数を生成して、命中確率と比較する。

If X < ChanceToHit, the shot is a hit. If X > ChanceToHit, the shot is a miss or zero damage is applied.
乱数<命中確率ならば攻撃は命中し、乱数>命中確率ならば外れるか"0"ダメージになる。

X also determines the quality of a hit. If X < 0.01, then the Quality Of Hit multiplier = 3. (i.e. a 'Wrecking' shot) If X > 0.01 the Quality Of Hit multiplier = X + 0.5
この乱数は着弾の質にも関わっている。もし乱数<0.01ならばダメージは基本値の3倍に、乱数>0.01のときはダメージは基本値の(乱数+0.5)倍になる。

ChanceToHit, essentially, specifies an interval in which values of X can fall that qualify or disqualify a hit. The larger this interval, the larger the values X can take, and hence the larger the hit multiplier (i.e. X + 0.5) can be.
つまり命中確率は命中として判定されうる乱数の幅を決定する。この幅が大きいほどより大きな乱数でも命中し、より大きなダメージの命中弾が得られうるようになる。

For example: A shot with ChanceToHit = 0.97 X = 0.980, the shot misses. X = 0.541, the shot hits, with a damage multiplier= 1.041. X = 0.001, the shot hits, 'wrecking' with damage multiplier = 3.
実際の例を挙げると、もし命中確率が0.97のときに、乱数が0.980を出したならば攻撃は外れ、乱数が0.541を出した時は命中し、基本値の1.041倍のダメージになる。もし乱数が0.001を出したならば、"wreck"(訳注:日本語版の訳は何だろう?)の命中弾が得られ基本値の3倍のダメージになる。

〜ここまで引用〜

Chance to hit(命中確率)を導く式は複雑なので、まず左側の部分を解説する。
これ

高校物理の復習。
半径1の円の円周上に長さ1の弧を描いたとき、その2つ端と円の中心とを結ぶ2つの直線の作る角の大きさが1rad(1ラジアン)だ。


この円周上を毎秒1の速さで走るとき、角速度は1rad/s。この速度は円周上の点と円の中心とを結ぶ直線に対して垂直に毎秒1の速さで走っているのと同じ向き、同じ速さ。


この式の左上の方にあるTransversalSpeedとは何かというと

"自分の船の速度の自分と相手とを結ぶ直線に対して垂直な成分と相手の船の速度の自分と相手とを結ぶ直線に対して垂直な成分の差"。上の図では2つの紫色の線を足した長さが、TransversalSpeedの大きさになる。
RangeToTargetは自分と相手との距離。


TransversalSpeedをRangeToTargetで割ると、上の図の赤い↑の長さになる。この長さの単位は角速度の定義からrad/sになる。

つまり"見かけの角速度"。


ゲーム内ではAngular Velocity(角速度)としてこの数字をOVから見ることが出来る。

ただし、デフォルトでは非表示。

TrackingSpeedはタレットそれぞれの固有値にスキルと船のボーナスを掛けたもの
固有値はアイテムの"情報を見る"から調べられる。一般的にショートレンジのタレットだとPulse<AutoCannon<Blaster。ロングレンジだとArtillery<Railgun<Beamの順。ロングレンジの武器はショートレンジの武器と比べるとずっとTrackingSpeedは悪い。同じサイズの武器でも2~3種類、例えばSmallサイズのAutoCannonの場合125mm 150mm 200mmと3種類あるけれど、大きい武器ほど射程は長くなりTrackingSpeedは悪くなる。
Motion Predictionスキルで5%/lvのボーナスが付く。
船のボーナスは、例を挙げるとEnyoやRifterは7.5%/lvのボーナスを持つ。T1フリゲートではRifterとSlasherだけがTrackingSpeedにボーナスを持つので、BlasterよりもAutoCannonの方が実際にはTrackingが良かったりする。
T2の弾(Void Null Hail Barrage Conflagration Scorchなど)にはTracking Speedに-25%のペナルティーがあるので注意。

TurretSignatureResolutionはタレットの大きさに依存する数字で、Smallサイズのタレットは40m、Mediumサイズなら125m、Largeサイズなら400m、ExtraLargeサイズなら2000m(!)。

TargetSignatureRadiusは攻撃対象の船のSignatureRadius。
Fitting画面から見ることが出来る。
PODとシャトルが25m。FGは30~50mぐらいで、DDは50~80mぐらい。CLで120~150m、BC、BSはもっと大きい。
シールド関係のMODやRigを付けると何mか大きくなり、MWDを起動すると6倍になる。
逆に小さくするにはHalo(AngelCartelのインプラント)シリーズを刺したり、コンバットブースターのX-instinctを使うと小さくなる。



TrackingSpeed TurretSignatureResolution TargetSignatureRadiusを元に、EffectiveTrackingSpeed(実効TrackingSpeed)を導くことが出来る。単位はrad/s。



まとめると、こうなる。
少しは分かりやすくなったかな。

つまり
AngularVelocityを増やして、EffectiveTrackingSpeedを減らせば、攻撃が当たりにくくなり、
AngularVelocityを減らして、EffectiveTrackingSpeedを増やせば、攻撃が当たりやすくなる。

AngularVelocityを増やすのは簡単。できるだけ近づいて速くorbitすればいい。
EffectiveTrackingSpeedを減らすには、船のSignatureRadiusを小さくするか、TrackingDisruptorを使う。
AngularVelocityを減らすには、「引き撃ち」するか、相手の動きをwebで止める。
EffectiveTrackingSpeedを増やすには、TargetPainterを使って相手のSignatureRadiusを増やすか、TrackingEnhancerとかTrackingComputer、TrackingSpeedが速くなるリグ(○○ Metastasis Adjaster)を使って自分のTrackingSpeedを増やす。もしくは射程の短いタレットを使う。

ここまで左側の部分の解説。
次は右側の部分。

目標との距離がタレットのOptimal Range内ならこの項は0。Optimal Rangeの外の場合、(Optimal Rangeからはみ出た長さ/Falloff Range)の2乗。
Optimal Range + Falloff Rangeが「双方静止しているときに命中率が半分になる距離」と解説されることがあるけれど、それはこの項が"1"になるため。
Optimal Range + (Falloff Range)x2の距離で双方ともに静止している場合の命中確率は0.5の4乗=0.0625。急激に火力が減ることが分かる。

Optimal RangeとFalloff Rangeはタレットの固有値に、弾のボーナスと、船のボーナスと、スキルボーナスを適用したものが使われる。

タレットの種類ごとの特徴としては
Pulse:やたら長いOptimal Rangeと極度に短いFalloff Range。Optimal Rangeの外ではほとんど当たらない。
Blaster:Optimal RangeとFalloff Rangeは同じぐらい。近づくと火力が上がる。
AutoCannon:短いOptimal Rangeと長いFalloff Range。近づくと火力が上がるけど、離れてもそれなりに火力がある。
Beam:使ってる人を見たことが無いけれど…長いOptimalと短いFalloff。
Railgun:長いOptimalと比較的短いFalloff。
Arty:OptimalとFalloffは同じぐらい。Trackingが悪いので、Optimal以内だとなかなか当たらない。Falloffが長いので長距離の狙撃には向いてる。

短射程のタレットの最適な距離は、全てのスキルがlv5で船のボーナスを考えないならば
Blaster+Antimatar 2km以内
Blaster+null 7km以内
AutoCannon+Fac弾(EMP PhasedPlasma Fusion) 3km以内
AutoCannon+Barrage 10kmまで届くけど5km以遠では火力は弱い
Pulse+Multifrequency 5km以内
Pulse+Scorch 10km以内

スキルによるボーナスは
Sharpshooter(2x) OptimalRange 5%/lv
Trajectory Analysis(5x) Falloff Range 5%/lv
の2つだけ。

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